もの忘れ外来

もの忘れ外来

大切なことはもの忘れ外来を本当に認知症専門医が診ているかどうか

もの忘れ外来とは、認知症を専門に診る外来のことを言います。メモリークリニックという言い方もあります。総合病院など専門医療施設に併設しているものから、クリニックで開設しているものがあります。

専門医療施設の利点としては画像設備が利用しやすい点がありますし、クリニックの利点としては気軽に受診できる点があります。いずれにしろ、大切なことは物忘れ外来を本当に認知症専門医が診ているかどうかということになります。全国でも認知症専門医といえる医師は限られており、増え続けている認知症患者を不足無く診られる状況とはとうてい言えません。

厚生労働省の新オレンジプランでは、認知症専門医の足りない現状に鑑み、かかり付け医と認知症専門医の間に認知症サポート医を配置しましたが、現在十分に機能しているとはいえません。認知症を診る医師は、精神科、神経内科、老年内科、脳外科と幅広い診療科にまたがっていますが、認知症専門医といえるのはこの中のごく一部にすぎません。

画像設備のそろった専門医療施設でも、認知症専門医が少なくてはよい認知症診療はできません。一方、認知症を専門に診るクリニックはわずかしかありません。他の疾患が専門で、認知症も診るというクリニックがほとんどです。認知症専門医が診ており、認知症専門の臨床心理士がいて、かつ専門医療施設と連携して画像設備を利用することにより、メモリークリニックで専門医療施設以上の認知症診療が行うことが可能となります。