クリニックの特徴

シニアメンタルクリニックの特徴

  • 老年精神医学と認知症の専門医によるクリニックです。
  • 認知症診療(物忘れ外来)を専門とするメモリークリニックです。
  • 認知症を前駆状態で診断する早期診断と予防治療が特徴です。
  • 認知症の神経心理検査は当クリニックで臨床心理士が行い、
    画像検査は主に提携先の院外検査機関で行います。
  • 認知症の他に、初老期・老年期の気分障害、
    神経症性障害、妄想性障害などの診療も行います。
  • 治療は薬物療法と精神療法、家族療法を行います。

理念

シニアメンタルクリニック日本橋人形町

当クリニックが専門とする老年精神医学は、初老期・老年期の精神疾患を対象としています。精神疾患は年代により種類が異なり、同じ疾患でも異なった特徴をもっています。初老期・老年期の精神疾患の特徴は、脳の加齢変化が発症の要因であるか、発症に大きな影響を与えるという点です。
このような初老期・老年期の精神疾患の代表が認知症です。我が国は超高齢化社会となり、認知症患者も増加の一途を辿っています。認知症は患者のみならず、介護者の生活にも大きな影響を与えます。このため、認知症医療の充実は我が国の喫緊の課題であり、認知症の早期診断と予防治療は世界の趨勢となっています。

認知症患者の診療(物忘れ外来)は、通常メモリークリニックで行いますが、精神科、神経内科、老年内科の医師が多く、脳外科の医師も認知症診療を行っています。ただし、認知症の専門医と呼べるのはこれらのごく一部です。なぜなら、認知症診療には各診療科の知識と技術に加えて、認知症についての多くの知識と技術、経験が必要とされるからです。
認知症診療は、認知症の診断と鑑別診断、薬物療法と精神療法、家族療法などを含んでいます。認知症にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症などの疾患が含まれており、認知症の診断にはこれらの疾患の鑑別が必須となります。さらに認知症は、将来の生活を維持するためにも、いかに早く診断し予防治療をするかが重要です。認知症の前駆状態である軽度認知障害の段階で診断し、どのような認知症疾患に進むかを予測して適切な予防治療をするためには、専門医にさらに高度な能力が必要とされます。

また、認知症の治療は薬物療法だけではなく、精神症状や行動障害を軽減するための精神療法、介護者の介護負担を軽減するための家族療法も重要です。薬物療法も、認知機能障害に対する抗認知症薬ばかりでなく、精神症状や行動障害に対する薬物療法にも熟達している必要があり、老年精神医学の知識と技術がかかせません。

さらに、初老期・老年期の精神疾患には、認知症の他に、うつ病など気分障害、不安や強迫など神経症性障害、心身症など身体表現性障害、被害妄想や嫉妬妄想など妄想性障害のように多くの疾患が含まれます。これらの疾患では、性格やストレスとともに脳の加齢変化が影響して、診断や治療に難渋することがあります。また、これらの疾患には軽度認知障害が合併することも多く、気付かずに認知症に進行してしまい、早期診断と予防治療の機会を逸してしまいます。このような初老期・老年期の精神疾患を診るためにも、老年精神医学の専門医であることが必要です。

当クリニックは、認知症の専門医であるとともに老年精神医学の専門医を院長とするクリニックであり、メモリークリニックの範囲を広げてシニアメンタルクリニックと名づけました。したがって、当クリニックでは認知症およびその他の精神疾患の専門的な診療を行いますが、最も大きな特徴は認知症の早期診断と鑑別診断です。日常生活に支障はなくとも、最近物忘れが気になるので将来のことを心配してという段階で受診すれば、今のところ心配はないのか、予防治療が必要なのかが明らかとなります。このための神経心理検査は当クリニックで認知症の神経心理検査を専門とする臨床心理士が行い、画像検査は高度の設備のそろった順天堂東京江東高齢者医療センターで主として行います。さらに、認知症に伴う精神症状や行動障害、合併する身体疾患で入院が必要になった場合にも同センターに入院ができます。その他、当クリニックの専門外の疾患が疑われた場合には、連携病院である総合病院に紹介いたします。