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加齢によるもの忘れvs認知症によるもの忘れ

  • 2018年2月16日
  • Q&A

6. Q 少し前のことを忘れているのに、昔の事はよく覚えています。普通の物忘れとは違うのでしょうか?教えてください。

  A 加齢による普通の物忘れは、記銘、想起の能力が低下し、新しいことを覚えづらくなる記銘障害、覚えていてもその場で思い出せない想起障害よりなります。一方、認知症に伴う物忘れでは、聞いたりやったりして覚えているはずのことを記憶として保持できなくなることが特徴です。ですので、少し前のことを忘れているのは記憶の保持の障害であり、普通の物忘れとはいえません。

記憶の保持障害のうち、数時間から数日、数週など短期の記憶を保持できないものを近時記憶障害、数か月から数年、さらに古い過去の記憶を保持できないものを遠隔記憶障害と云います。

アルツハイマー型認知症などの認知症では、まず近時記憶が障害されるが、遠隔記憶はほぼ保たれているため、少し前のことを忘れているのに、昔の事はよく覚えているということになります。しかし、認知症が進行すると遠隔記憶も障害され、成育歴などの古い記憶もあいまいになってきます。また、認知症の進行とともに、仕事時代から学校時代とより古い時代の話が多くなるのもこれと関係してきます。

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